2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 50話 制圧(勝とうとしないという選択)part1 (A4正式稿)勝とうとしない、という選択がある。少なくとも、頭ではそう思っていた。殴り合いは終わった。終わった、というより――成立しないと分かった。距離の作り方も、速さも、こちらが踏み込む前提で設計されている。当たらない […]
2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 第50話 制圧(勝とうとしないという選択)part2(A4正式稿) 駅前の喧騒から一段ずれた路地に入った瞬間、音が「一枚」薄くなった。静かになったわけじゃない。車の走行音も、遠くの踏切も、誰かの笑い声も残っている。ただ、全部が同じ距離に並べ替えられている。手を伸ばせば、どれでも掴めそうな […]
2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 第49話 本気(殴り合いは成立しない)(A4正式稿) 最初に分かったのは、距離が合っていない、ということだった。さっきまでの距離。殴り合っていたはずの間合い。そこに立っているのに、黒瀬は“近くない”。踏み込む。足は出る。身体も動く。でも、当たる位置に、いない。「……あれ?」 […]
2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 起動事故(第15話直結/A4正式稿)※差し替え案 世界が、一拍、遅れる。 遅れたのは俺じゃない。周りだ。空気の膜みたいなものが一枚だけ遅れて、俺だけがその外側に出た感じがする。景色は同じなのに、音が薄い。街灯の光が、画面の明るさみたいに均一で、怖い。 「……あー、やだや […]
2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 第48話 衝突(いっぱつ殴り合お) 最初に言われたのは、挑発でも命令でもなかった。「ねえ」弾んだ声。本当に、遊びに誘うみたいな調子で。「いっぱつ、殴り合お?」……ああ。そう来るか。「それさ」俺は息を吐きながら返す。「言い方ってもんがあるだろ」「あるよ?」女 […]
2026年1月7日 / 最終更新日時 : 2026年1月7日 dorago01 日記 第47話 誇示(知っている者は遊ぶ) (A4正式稿)最初に壊れたのは、街じゃなかった。空気だ。音が軽い。爆発でも警告でもない。「鳴らす必要あった?」って思う起動音が、上から降ってきた。住宅街の外れ。道は狭い。建物は近い。なのに、人がいない。避難した気配もない […]
2026年1月4日 / 最終更新日時 : 2026年1月4日 dorago01 日記 第3章|誰が続きを望んだのか やめよう、と思った。 はっきりと、そう言葉にできる程度には、危機感があった。 続きを書くのを。正確には、続きを“開く”のを。 今日はもう十分だ。短編にすると決めた。第2章まで書いた。 ここで切ればいい。違和感は残る。でも […]
2026年1月4日 / 最終更新日時 : 2026年1月4日 dorago01 日記 第2章|追いつけなくなる 続きを書こうとした。そのつもりだった。 でも実際には、また「確認」から始めていた。 ファイルを開く。目次をざっと流す。直近の修正箇所に色が付いている。 自分で付けたはずの色だ。けれど、その理由を思い出すのに、一拍かかった […]
2026年1月4日 / 最終更新日時 : 2026年1月4日 dorago01 日記 第一章|書いているはずだった 画面は、白すぎた。文字を打ち込む前から、もう何かを要求してくる白さだった。 カーソルが瞬いている。それだけで、時間が進んでいる気がした。 「……とりあえず、続きを」 声に出したわけではない。頭の中でそう思っただけだ。それ […]
2026年1月3日 / 最終更新日時 : 2026年1月3日 dorago01 日記 「噛む猫は、先に挨拶をする」 その猫は、スフィンクスだった。毛がないぶん、感情の起伏が全部そのまま出る。 初めて会ったとき、彼はまず、においを嗅ぎに来た。 足元を一周して、納得したようにこちらを見る。 ――あ、これは大丈夫なやつだ。 そう判断した顔を […]