アーマードコアフォアアンサーの世界に突如ぶち込まれた件について
目を覚ましたら、俺は操縦席に座っていた。
シートは硬い。
計器は光ってる。
外は戦場。
完全に詰んでる。
通信が入る。
「――レイヴン、聞こえるか?」
いや聞こえるけど。
まず聞いてほしい。
俺、
普通の一般人です。
「今回の作戦は企業連合への強襲だ」
いやスケール!!
朝起きたら歯磨きして会社行くタイプの人間に
企業連合強襲は荷が重い!!!
画面に表示される機体情報。
・全高:デカすぎ
・速度:速すぎ
・武装:多すぎ
・操作:複雑すぎ
そして一番下。
《あなたは傭兵です》
知らん間に職業変わってるの怖すぎる。
とりあえず動かそうとスティックを倒した瞬間、
機体が爆速で空を飛んだ。
「うわあああああああ!!!」
いや速い速い速い!!
ジェットコースターでももうちょい情緒あるぞ!!
ブーストを止めようとして逆噴射。
逆噴射の概念を理解する前に壁に激突。
WARNING
AP LOW
もう!?
まだ敵見てないんだけど!?
その瞬間、視界に映る白い機体。
美しい。
洗練されてる。
明らかに格が違う。
通信が入る。
「……邪魔だ」
出た。
絶対強い人の第一声。
後で知ることになる。
こいつが **アーマード・コア フォーアンサー**屈指の化け物、
ホワイト・グリントだということを。
俺は反射的に言った。
「すみません!すぐどきます!!」
その瞬間、敵も味方も全員沈黙。
「……何?」
いやだって、
この世界謝罪文化ないでしょ!?
ホワイト・グリント、数秒沈黙した後。
「……貴様、企業の犬ではないな」
当たり前だ。
俺は犬どころか
通りすがりの社畜だ。
なぜか戦闘が始まらない。
代わりに周囲の敵機が勝手に撃ち合い始める。
どうやら
「変な奴がいる」
という理由で
戦場の空気が壊れたらしい。
俺は何もしてない。
本当に何もしてない。
そのまま作戦は失敗。
企業連合は撤退。
なぜか俺の評価が上がる。
《戦果:混乱を誘発》
評価理由がふわっとしてる!!
後日、別のミッション。
「レイヴン、貴様は危険すぎる」
いや俺もそう思うよ!?
「命令を無視し、戦場の理を壊す存在だ」
褒めてないよねそれ!?
最終的に、
どの企業にも属さず
どの思想にも与せず
ただ戦場を混乱させるだけの存在として
俺は恐れられるようになった。
ホワイト・グリントから最後の通信。
「……戦争に向いていない者ほど
この世界を壊せるのかもしれんな」
いや壊す気ない!!
帰りたいだけ!!
今日も俺は
操作方法を完全に理解しないまま
戦場を飛び回っている。
被弾しないのは奇跡。
生きてるのは事故。
異世界転生先が
一番ハードコアなメカ戦場だった件について
誰か説明してほしい。
