「朝の一時間」

朝は家を早く出る。
用事があるわけではない。

駅前のカフェに入り、奥の席に座る。
毎朝同じ時間帯で、顔ぶれもだいたい決まっている。

コーヒーを頼み、鞄からノートを出す。
開いたまま、しばらく何も書かない。

店内では音楽が流れているが、
内容までは意識しない。
カップの縁が少し欠けているのに気づく。

時計を見る。
まだ十分しか経っていない。

一時間だけ、ここにいる。
それ以上でも、それ以下でもない。

カップが空になる頃、席を立つ。
家に戻る時間を、ようやく決める。

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